4. 仕組化

■行動を変えるための4ステップ(心理の移行曲線)

・2020年が始まりました。VUCAの時代(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)と言われる中、「自分も変わりたい!」「変わらなければ!」と考えている人も多いかもしれません。

・変化が激しい時代にあって、自分にとって「望まない」「予想しない」変化を、どのように受け入れていくのか、行動心理学に基づく4段階のプロセスを紹介します。

 

【心理の移行曲線/1.否定→2.抵抗→3.探求→4.決意】

心理の移行曲線

自分の言動を確認しながら、心理がどの段階にいるか理解すると、対応しやすくなります。

※私自身も、公私含めて行動を変える際に、意識しながら使っています。

 

■1.否定フェーズ■

◆顕著な言動:「(変化は)自分には関係ない」(根拠なき楽観)

変化に対しては、なぜか自分だけは大丈夫だと思いたい、【正常性バイアス】という心理状態が発生します。これは、脳が安全な状態や心の安心感を守るために発動させる作用です。

 

◆次のステージに向けた対応:豊富な情報収集

不都合な事実も含め、変化しなければいけない理由や変化するメリットなど、必要な情報を、プラスマイナス関わらずどんどん収集します。(本を読む、話を聴く、ネットで調べるなど)

※個人的には、手間がかかる読書(目的をもって本を探す・借りるか買う・時間をかけて読む)量が多い人ほど、変化に対応し易い場合が多いと感じます(単にテレビやネットの流し見だと、変容しにくい)。

 

◆起こる反応:認知的不協和

いきなり「なるほど、変わろう」とはなりません。脳は変わらなくていい理由を探し始めます。

その際、「認知的不協和」という不快な状態が発生しています。自分にとって矛盾した情報を突きつけられたときに感じる不快感です。

【自分は変化が不要だと思っている(思いたい)】⇔【周囲は変化が必要だと言っている】という矛盾です。この不快感が無いと、次のステージに進みません。

 

■2.抵抗フェーズ■

◆顕著な言動:「なぜ私が変わらないといけないの?」(不安・不満・怒り)

自分の責任と考えるのではなく、他者(環境や周囲の人等)の責任として捉えた反応を示すのが一般的です。変わりたくない理由や不安感が心の中に発生します。

 

◆次のステージに向けた対応:吐き出す(話す・書く)

ここで重要なのは、自分の気持ちをまずは受容し、客観視すること。その為には、自分の気持ちや感情を外部に吐き出す必要があります。

傾聴はスキルが必要です。「自分の気持ちを、遮らずに聴いてくれる人」を見つけましょう。

(よほど尊敬できる相手の場合以外は、このステージでは説教やアドバイスは素直に耳に入らないので、「ただ聴いてくれる」人で十分です)

※相手が見つからなければ、事実や自分の感情を書き出すだけでも有効です。

 

◆起こる反応:カタルシス効果と自責

しっかりと不満や不安を吐き出すと、「カタルシス効果(不安・不満・怒り・悲しみの感情を外に吐き出して、気持ちが浄化される)」が発揮され、冷静に現状を考えられるようになれます。

(感情を内に込めていると、堂々巡りし易くなります)

その後、「結局、自分はどうしたいのか?」「自分に出来ることは何か?」を内省します。

 

■3.探求フェーズ■

◆顕著な言動:「自分にできるだろうか?」(可能性の検討)

探求フェーズになると、視点が未来や外へと向き始めます。行動変容への大きな分岐点です。

 

◆次のステージに向けた対応:計画立案(ベストシナリオを思い描く)

「こんな風になれたら嬉しい」「最高の状態成果を出せるかの計画を考えさせましょう。その際に、【達成した時に得られる気持ち・光景・感情】などの映像が浮かべばベストです。

望ましい将来に向けた計画・ビジョンが描けると、快楽物質であるドーパミンが放出され、強い動機づけが行われます。(旅行の計画を立てると、実際に行っていなくてもワクワクするのも、この効果です)

 

◆起こる反応:未来志向(過去から未来)

過去や現状について考える思考から、「こうなりたい」といった未来型の思考へシフトしていきます

 

■4.決意フェーズ■

◆顕著な言動:「変わることが楽しい」「新しい行動を、しない方が気持ち悪い」(変化の受容)

変わることを受け入れ、変化が習慣化・日常化します。納得して変化対応するので、後戻りしなくなります。

 

◆対応:誉めてもらう(承認欲求)、任せてもらう(自己実現欲求)

変化を継続する為に、周囲にうまく誉めてもらう仕組みを作って承認欲求を満たしましょう。

(直接コミュニケーションが一番ですが、SNSやアプリを使って、変化の状態を可視化・記録・フィードバックをもらうことも近い効果があります)

十分承認欲求が満たせると、次の「自己実現欲求」モードになります。

 

◆反応:習慣化(変化の日常化)

変化が日常化すると自己実現欲求(自らの力でやってみたい/自分の能力を更に試したい)を感じるようになり、「人からどう言われるか関係なく、変化・成長することが楽しい」状態になります。

※「ゾーン」「フロー」状態と呼ばれ、「好きでやらずにいられない」心理になります。

 

以上、行動変容に向けた4ステップを紹介しました。

「自分を変える」場合にも「変わりたいと考えている周囲を変える」為にも使うことが可能です。

2020年、「自分がありたい姿」「大切な人がありたい姿」を実現する為のヒントになれば幸いです。

ABOUT ME
難波猛
働く人と組織の行動変容に向けて、不都合な事象にも正面から向き合うコンサルティングが信条。 マンパワーグループ(株)にて人事コンサルティングと研修講師に従事。 人事・経営者向け無料セミナーも随時開催 https://mpg.rightmanagement.jp/tm/seminar/
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