個人の価値を貶めるお金の魔力、”買い叩き”を防ぐ方法
石垣:せっかく良いものを持っていても買いたたきされてしまうという現実について話したいと思います。
小川:買いたたきは多いです。買い手として考えるとより安く買いたいとは思いますから。こんなに安く買えますよとお知らせしてくれるサイトはたくさんありますよね。比較検討可能なサイト。そうすると5000円より4000円と安い方を選びますよね。
石垣:若くていずれは日本にも多大な影響を及ぼす才能を持った人。そんな将来の可能性に満ちた若い才能が買いたたきされ、フリーランスの平均年収200万円で生活することに慣れてしまう。そうすると才能が開花せずに一生を終えてしまうこともあるかもしれません。
小川:言葉的には買いたたきしている方が悪いと映りやすいです。でもそれだけではないはずです。自分の価値を低く見積もる人もいます。売れないから、値引く現実がある。一方で高くても価値のあるものを買いたいと思う人もいます。売り手側のマインド次第でもあります。
石垣:営業の現場でよくあります。これはもっと安くなりませんか。言われた瞬間に10%くらいなら引けます。社に持って帰って返答します。そんな言い方をすれば「安くなるのかな」と思われます。
毅然と「いや値引きは一切やっていません」「この金額はこうなっているんです」そう言い切れるとご納得いただけることは多いですよね。

小川:価値に対してどんな言い方ができるか。どんな伝え方ができるかが大切。とはいってもお客様がこの金額しか払えないということが決まっている場合はどうですか。財布に1000円しか入っていない。そんな場合です。
石垣:考えられるのは2つですかね。定価が3000円だとしたら、財布に3000円入っている時にまた来てね。もしくは1000円でできる内容提示や長期取引の提案で分割にするイメージですかね。
小川:私が考えるのは価値を落とさず交渉をすることです。もう一つは「お金ないなら無理」と一瞬で切り捨てずに、相手に寄り添って交渉できるか。これも重要と感じます。
石垣:確かにそれはありますね。独立したばかりで税理士に毎月10万円と提示されて支払える人はほぼいないでしょうから。でも売上が上がってくれば、より払えるようになりますからね。
価値は下げていくのではなく、上げていく可能性提示は必要ですね。
小川:相手の状況を組んで対応する必要はありますが、こちらの事情も組んで欲しいですよね。
石垣:これは交渉が得意な人と、苦手な人で大きな差がでそうです。
小川:交渉が苦手だと自ら安い値段を提示してしまうことありますよね。この差は大きい。それに対して、価値をきっちりと伝え交渉ができるかは重要です。
石垣:そう考えると買いたたきの現実を変えるのは、ウェブ上の比較サイトで提示するよりも、会議室などのクローズの商談の方がよさそうです。
小川:対面の場でどのように自分の価値を表現できるかがカギになりそうです。
