3. 巻込む

リーダーとしての心得(1)―部下を動揺させたり攻撃したりしない

「恐怖による支配」という言葉がある。私はこの言葉が嫌いだ。恐怖による支配は人類の正しい見方とは正反対だと思うから。
マネージャーが部下に厳しくしなければならない場合もある。しかし、これは彼らを怖がらせることとは全く違う。この二つを混同してはいけない。

旧共産圏はなぜ崩壊したのですか? 恐怖に支配されていたからだ。今日の日本では、恐怖による支配はもはや不可能であることは明らかである。かつての恐怖による支配を可能にした貧困と厳格な情報管理は今や排除され、日本社会はますます多様化している。私はこの構造変化を「階級社会の時代は終わり、水平的平等社会の新時代が始まった」と表現したい。今後の経営には、この社会の構造変化を強く認識する経営者が必要だ。

ではどうすればいいの? 将来最も望ましいリーダーのタイプは、私が羊飼い型リーダーと呼ぶものだ。
このタイプのリーダーは、部下を前面から導くのではなく、彼らが先頭を歩くことを許す。もちろん、こうしたリーダーたちはまず、原則、基本理念、それぞれの具体的な目標、そして最終的な目標を明確にする。そして、部下の後ろを歩く。例えば、ある地点まで南下することが最終目的地として決定されたとする。方向性に関しては、リーダーは決して妥協しない。しかし、部下が南に向かっている限り、つまり原則に従っている限り、リーダーは各部下に行動の自由を認めるのだ。
部下は自分のアイデアで自分の仕事ができるので、仕事を楽しんでやりがいを感じる。その結果、彼らはより簡単に成長し、成功することができる。

中国の昔話には、孫悟空が筋斗雲で仏の手のひらから世界の果てまで飛んだという話がある。しかし、孫悟空が仏に戻ってきた時、この世の終わりだと思っていた点が仏の指であることを知った。つまり、ブッダの手のひらから飛び出したのではない。この話はとても示唆的だ。部下が仕事を楽しんで能力を発揮しているにもかかわらず、長い目で見てリーダーが決めた方向に進んでいるのであれば、このリーダーは将来のリーダーとして理想的なタイプだと思う。

ABOUT ME
島田 亮司
ストックホルム大学交換留学を経て、中央大学法学部卒業。都内の大手教科書出版社に入社、主に英語辞典や教材の編集、異文化理解教育のテキスト製作を担当。その後、PHP研究所にて英文月刊誌の副編集長として国内外の取材、執筆、編集に携わる一方、松下幸之助研究の研究スタッフとして外国人経営者向けの研修セミナーの企画、運営、講演を行う。また、1997年設立のNPO国際交流団体SIEN(埼玉県国際交流協会登録)の代表として現在までの22年間、異文化理解、交流促進に関わる社会活動をする他、在日外国人向けに賃貸物件のアドバイス等を行う。宅地建物取引士。英語通訳案内士。
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