ちょうどうつむいた巨大な像の近くになにやら魔人ブーの子供みたいなキャラクターがあった。そのそばに1st、3rd、5thと書かれた窓がある。ここにはそれぞれの年を経過した社員に対して送られる記念アイテムが展示されている。「あなたは1年頑張ってアリババの社員であり続けました。おめでとう!」というニュアンスがあるそうだ。3年働いたら、「あなたはもうマネージャークラス。みんなの見本であり続けましょう!」と。そして5年も勤めあげた場合は「あなたはすでに会社になくてはならない人材です。ここにこれを記念します!」と指輪がプレゼントされる。1年だとバッジ、3年目はペンダントになっている。日本人の感覚からすると3年というのは短いが、アリババの平均社員年齢は30歳ほど。つまり「残り続けて働くことが非常にむつかしいのだ」。
シルビアさんもまだ1年と半年のみ。1年経ってからパフォーマンスの悪い、ボトム10パーセントが忠告を受けるという。忠告を受けた社員は3か月以内にパフォーマンスが改善しないと自動的にクビになる。アリババの社員になるのは杭州、いや中国ではステータスなのだが、運よく入れたとしても働き続けるには、競争を勝ち抜いて成果を出さなければならない。ボトム10パーセントといってもかなりの数になるので、人材の入れ替わりは非常に激しい。