行動を成果につなげたいヒト必見の情報ブログ

1. 絞る

リーダーとしての心得(8)上司が部下に理由を説明できなければ上司の資格なし

真面目に仕事をして、リーダーシップで模範を示そうとしているマネージャーが、時々空回りしているという話をよく聞く。多くの場合、その理由は部下に十分な説明をしていないからだろう。自分がきちんとしているから、周りの人も理解してくれるだろうと思ってしまうのだ。

部下になぜそうすべきなのか、なぜそうすべきでないのかを説明しないリーダーは、リーダーたる資格がない。

以前はそうとも限らなかっただろう。豊かな社会を実現することは、すべての日本人にとって当然の共通目標であった。さらに、私たちは単純にアメリカなど西洋諸国をモデルにすることができた。言葉にすることなく価値観を共有することができた。

豊かな社会になり、欧米と肩を並べるようになった今、選択肢はたくさんある。現代の人々、特にさまざまな環境で育った若者は多様な価値観を持っている。経営者や幹部社員は、いまの時代のこうした側面に注意を払わなければ、困難を経験するだろう。

多様な価値観を持つ豊かな社会で重要なのは、感性だ。言い換えれば、私たちは感情と感性の時代に生きている。この豊かな時代の若者は、子どもの頃から学生時代の終わりまでの長い間、自分が好きか嫌いか、自分から何かを感じられるかなど、自分の気持ちで物事を判断しながら育ってきた。自分の気持ちで判断して育った若者を指導するには、指導者がなぜ指示や警告を受けているのかを常に説明できる能力が必要だ。「なぜ」を説明することで、理性と感情を橋渡しできるからだ。言い換えれば「なぜ」を説明することで、理性と感情の調和を促すことができる。

「理由」を説明するためには、管理職にある者がそれぞれの哲学や理念を持っていなければならないだろう。言葉を交わさずに同じ目標を共有することができた過去の時代には、力強い言葉や活発な行動があれな、浅薄な哲学でも問題はなかった。しかし、そんな時代は終わった。複数の選択肢がある今日、私たちは自分で考えた説得力のある言葉で部下に語りかけずには、部下の心に触れることはできない。

また、哲学や理念を確立するためには、繰り返し考え、実行することが不可欠だ。「なぜ」を説明できない経営者や上司は、その努力を怠っていると言っても過言ではない。こうした点でも、「なぜ」を説明できないリーダーは失格だと言わざるを得ない。

ABOUT ME
島田 亮司
ストックホルム大学交換留学を経て、中央大学法学部卒業。都内の大手教科書出版社に入社、主に英語辞典や教材の編集、異文化理解教育のテキスト製作を担当。その後、PHP研究所にて英文月刊誌の副編集長として国内外の取材、執筆、編集に携わる一方、松下幸之助研究の研究スタッフとして外国人経営者向けの研修セミナーの企画、運営、講演を行う。また、1997年設立のNPO国際交流団体SIEN(埼玉県国際交流協会登録)の代表として現在までの22年間、異文化理解、交流促進に関わる社会活動をする他、在日外国人向けに賃貸物件のアドバイス等を行う。宅地建物取引士。英語通訳案内士。