従業員を褒めることでその人の能力を最大限に活用することができるという人がいる。実は、私自身も以前に上司から褒められてうれしかったことがたくさんあった。ただし、必ずしもその上司が口が達者だったわけではない。実際のところ、彼の話は流暢でも雄弁でもなかった。平凡な言葉をたどたどしく話す人だった。
つまり、彼は自分の考えを自分の言葉で語った。彼はいつも自分の言葉で自分の心を謙遜して話した。彼の言葉は本物の金の言葉だった。それらは金メッキされた言葉ではなかった。彼の言葉は本物の金の言葉だったので、たとえ毎回同じことを言ったり、凝った表現ではなく普通の言葉を使ったりしても、いつも人を感動させることができた。彼は言葉を使うことには興味がなかったと思う。決して機知に富んだ言葉や美辞麗句を使おうとはしなかった。
どんなに雄弁に話しても、心を込めないと、観客は無意識のうちにそれに気付く。逆に、毎回同じことを言ったり、普通の言葉を使ったりしても、心の底から熱狂して話せば、直接聴衆に届く。
良いスピーチをすることは技術として学ぶべきではない。誰かのスピーチが表面的には良いが内容が少ない場合、聴衆は、たとえそれがトレンディなビジネス用語でいっぱいであっても、そのスピーチが金メッキされていることに容易に気付く。
一方、自分で考えた哲学や原則があって、毎日上達しようと努力すれば、自然と人に訴えて納得させるような話し方ができるようになる。
マネージャーにとって大切なことは、自分の言葉で話すこと。つまり、真剣な言葉や本物の黄金の言葉で話すことだ。
