動機となった原体験
- 中学・高校の頃の目標
私は中学1年の途中から高校卒業までドイツ・デュッセルドルフで生活していました。
中学生の頃、昼休みの校庭で行われる、バスケットボールのゲームに交じりたくてバスケットボールを始めたのですが、シュートがゴールネットを揺らす”SWISH”の音にはまり、シューティングにあけくれたのを覚えています。私は自然と、将来はバスケットボールの世界で生きていきたいと考えるようになり(選手になるのは実力的に無理でも、その世界で生き続けようと考えていました)、何の疑問もなくスポーツ三昧の毎日を過ごしていました。
- 何もかもがなくなった
高校2年の冬、上の顎の親知らずを抜くために麻酔をかけて、歯の手術をしたのですが、その2週間後、
私は髄膜炎になりました。どうやら親知らずを抜いた場所から、ウィルスが入り脳で悪さをしたようです。
それが原因で子供の頃に患った重い病気が再発し突然スポーツを100%の力でできない体になったのです。
突然目の前から何もかもがなくなったのを覚えています。挫折というよりも生きる矢印を失ったような感覚でしょうか?
※幸運なことに、後に手術の末、病気は完治しました。
- 立ち直るきっかけは突然に
高校3年の春、毎年4月に行われるEARTH DAYという半日寄付金を集めるために歩き、半日いろんなパフォーマンスを披露するイベントの準備がはじまるころ、失意の中にいる私を見かねたのか、EARTH DAYイベントの実行委員にダンスの披露を勧められました(ダンスは多少嗜んでいたので)。
目標を失い、断る理由もない私は、勧められるままになんとなくパフォーマンスの披露を引き受けました。
- 久しぶりに溢れた感情は『感謝』の気持ち
その年のEARTH DAYイベントでは、突出して上手くもない私のダンスパフォーマンスの時間だけ、パフォーマンス会場にいた数百人の生徒がスタンディングオベーションで盛り上げてくれたのです。
それはそれは凄い盛り上がりで、久しぶりに全てを忘れて無我夢中になれた幸せな時間でした。
・失意の中にいる私をパフォーマーとして誘ってくれたEARTH DAYスタッフ
・すぐそばで寄り添って、練習につきあってくれたスポーツ仲間
・私の動き、気持ちに呼応してくれ、盛大に盛り上げてくれた観客のみんな
・パフォーマンスに感動してくれた後輩や、当時片思いしていた同級生
私の自分勝手だけど一途で一生懸命だった「思い」は、応援されていたんだなと実感でき、感謝の気持ちが溢れました。みんなに感謝です。この経験があったから私は「強い思いから始まる行動は応援される」と考えるようになりました。
- 日本に感じた違和感
Earth Dayイベントが終了して間もなく、インターナショナルスクールを卒業し、日本に帰国しました。この感謝の経験のおかげで、新しい目標を模索する視点で日本を見ることができました。帰国した直後に私が日本に持った印象は、
・人が多い!
・風景に統一感がない!
・日本人の眼に生気がない!
でした。
この国で自分は何ができるのかを見出せなかった私は、20名くらいの方々に自分の将来を相談しました。
すると彼らは皆、同じような言葉で私を諭したんです。
「大人になったら生活するために仕事をするのであり、好きや得意は趣味でしかない。」
「社会では自分の思いは何の役にも立たないんだよ。」
人は幸せになるために組織をつくったのに、何故多くの人は毎日の生活のために我慢して働いているんだろう?
と強烈な違和感を感じたのを今も憶えています。
・はじめは小さい自分の思いが育まれ大きくなる。
・自由にチャレンジを繰返して、自分の思いに確信が生れる。
・強くなった思いに共感が集まり、応援される。
こいう環境の中で生活できている人は、日本に多くはいないのかもしれない。
ドイツで私が幸運にも実感できた「強い思いは応援される」という経験は、もしかしたら特別なもので、
今、目の前にいる日本人の多くが必要としている経験なのかもしれない、と思うようになったのです。
- 使命感
私は出会う人みんながイキイキしている社会をつくりたいと考えています。
今もまだ多くの人が自分のやりたい事や自分の感情を抑えて働いています。社会で働いている一人ひとりが、自分の未来に希望を持てるようになるためには、
1.想いを具体的に描き、共感される“想い”をつくる[好きな事から、自然につながる]
2.相手の言葉や行動に寄り添い、共感される“流れ”をつくる[想いを共有し、共感でつながる。]
3.確立した想いが人の心に染みわたり、共感を“ビジネス”にする[知識やスキルを活かし、新たな価値を生む。]
これらのStepを意識し、妥協しないで行動できる環境が重要です。
自分の行動や思考に迷わず、これらのStepを着実に踏んでいくだけで、自分自身の未来に妥協せず、イキイキ生活するきっかけを掴めます。
だから、これらを当たり前のように歩めるプラットフォームの浸透が、今世界に蔓延している社会課題を少しづつ溶かしていくと信じています。
Synapseのこれから
やりたいことで生きていけるプラットフォームをつくる
この理念は私が海外から帰国した19歳の頃決意し、今も思い続けている内容です。
海外から帰国した翌日、1~2時間ほど東京の新宿駅を軽く散策しただけで、あまりの人と情報の多さに暫く寝込んでしまいました。
歩きながら目の当たりにした、下を向いて歩いている人々、辛そうに満員電車に乗っている人々・・・
「将来社会にでて大人になったとき、自分はそんな大人になりたくない、そんな人たちに囲まれて生きていきたくもない」
自分の母国である日本に住む人たちみんながイキイキできるきっかけとなる[何か]をつくりたいと決意したのを覚えています。
- 好きな事から自然につながる。[好きでツナガル]
- 想いを共有し、共感でつながる。[想いでツナガル]
- 知識やスキルを活かし、新しい価値を生む。[価値でツナガル]
私の“想い”の終着地点として、この3つのStepを意識し妥協せずに行動できる、人々が自分の価値に気付き、自己実現が可能な社会のプラットフォームをつくっています。
小川晋平
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